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発声に活かす発音のコツ~母音編~

2019/10/05

  • ボーカル教室

発声

 

こんにちは!ボーカル講師の淵岡です。

 

今回は、歌唱に活かす発音について解説したいと思います。 正しい発音マスターすることで普段は何となく歌っていた曲が見違えるように素敵に仕上がります。

まずは、日本語五十音の基本“母音”をマスターしていきましょう!

 

ボーカル淵岡講師プロフィール

 

目次

①母音について

日本語の母音は5種類あります。

「あ・い・う・え・お」です。

 

実は、世界的に見て日本語の母音の種類はかなり少ないほうになります。

 

調べてみた所、母音が最も多いのはセダン族と呼ばれるベトナムの民族が使用している言語でなんと55種類もあります!英語(アメリカ英語)だと、26種類になるそうです。

 

5種類の母音で生活している私たちにとっては聞き分けも喋り分けも難しくなってきます。 そう思うと、私たちが慣れ親しんでいる日本語は5種類の母音さえマスターしてしまえば良いので簡単と言えるでしょう。

 

しかし、たった5種類の母音ですが、発声法や発音法で考えると数えきれないほど様々なメソッドがあります。今日は私が勉強して実際に試してきた中で良いと思う、分かり易いと思う発声法・発音法を書いていきたいと思います。

 

では早速ですが、下の表をご覧ください!

母音の発音

 

赤い文字が【息を当てるポイント】 青い文字が【舌の高さ・位置】 母音の発音では、この赤い位置と青い位置が重要になります。

 

それぞれ「あ」が中心にあり左右同じ位置に「い」、「え」、「お」、「う」があります。 では、一つ一つ説明していきます。鏡がある方は見ながら確認してみてくださいね。

 

まずは、「あ」が基礎基本ですので、「あ」の発音を自然に豊かに作っていきます。 この「あ」の発音がその他の4つの母音の基盤になっていきます。

 

②「あ」の発音

何も考えずに口を一番大きくあけて発音してみましょう。

 

大きく開いたら次はできるだけ縦方向にしてみて下さい。

 

同時に軟口蓋(なんこうがい)も開いていきます。…軟口蓋って何?と、忘れてしまった方!過去記事を参考にしてくださいね。 さて、軟口蓋が広がってあくびが出そうになる感覚になった方、とても大きく開けてくださいましたね。バッチリです!

 

その状態で出しやすい音程で「あぁ~~~」と長めに発音してみましょう。この時のポイントは音程が上がるように発音することです。「あぁ↓」ではなく、「あぁ↑」という風に延ばした音が上がるように発音しましょう。

 

前回のボーカル記事でお伝えした息の使い方も交えて発音してみてください。 次に、先ほどの図を参考にして息を当てるポイントを考えてみます。上あごの丁度真ん中らへんを意識しましょう。

 

そして、舌の高さと位置ですが下の歯の裏に軽く付くようにしてください。自然なポジションが良いのでリラックスして首や下あごの力を抜いてくださいね。

 

この「あ」の発音を元に応用していくのがその他の4つの母音になっていきます。それぞれの特徴を交えながらチャレンジしてみましょう。

 

③「え」の発音

まずは、「え」です。

 

「え」は、「あ」の口の状態から舌を少しだけ前に出します。この時も下の歯の裏に舌先が軽くあたります。そして、図を参考に息を当てるポイントを少し前にずらします。

 

「あ」の発音の延長に「え」があるイメージです。この時も口を横には開かないようにしましょう。

 

④「い」の発音

次に「い」です。

 

「い」は、「え」の口の状態から唇を少しだけ横に開きます。「え」→「い」と繋がるイメージで発音してみてください。息を当てるポイントも少し前にずらします。

 

いきなり「い」から発音しようとすると、横にベターッと唇を開いて発音してしまいがちですが、「あ」→「え」→「い」と丁寧に作ると縦方向に口が空いたまま「い」の発音が出来るようになると思います。 ここで注意すべきことは、舌の位置が変わるので口の中の空間が狭くなってしまうことです。

 

舌の位置が変わる代わりに軟口蓋を下げないようにして口の中の空間をなるべく広く保つようにしましょう。 ここまでが、「え」と「い」の発音です。続いて、「お」と「う」の発音です。

 

⑤「お」の発音

続いて、「お」の発音をしてみましょう。

 

「お」は、また基本の「あ」から作っていきます。自然な「あ」の発音ができたら少しだけ唇をすぼめます。すると舌も少し丸まったような縮んだ形になります。これは、舌の高さが低くなり、位置が後ろになったということです。

 

そして、図を参考に息を当てるポイントを「あ」の位置よりも深く(後ろ)にずらします。いきなり「お」の発音に変えようとするのではなく「あ」がだんだんと「お」に変わっていくようにご自身の耳でよく聴きながら発音してみてください。

 

⑥「う」の発音

最後に「う」です。「う」は、「お」の口の形をベースにより唇をすぼめてください。

 

「お」の口の形をベースにすることでそれほど唇の形を変えずに「う」の発音ができると思います。舌の高さと位置も「お」よりも更に低く後ろなります。息を当てるポイントを少し深く(後ろ)にずらします。

 

「う」も他の発音と同様に「あ」の延長にあるイメージを忘れずにいましょう。 「あ」→「お」→「う」の特徴は唇をすぼめることと息を当てるポイントが深く(後ろ)になることです。

 

舌の高さと位置も低く後ろにある状態なのと唇をすぼめることで口の中の空間が狭くなるので、「あ」で作った状態のままで発音できるように口の中の空間を広く保つようにしましょう。

 

★まとめ

ここまでが母音の発音で気を付けるべき点です。

 

ポイントは、「あ」を基本として他の4つの母音を作ることです。いきなりそれぞれの母音を発音しようとすると口が横に開いて平たい音になったり、息を当てるポイントや舌の高さ・位置を意識せずに口の中の空間が狭くなってしまいます。

 

まずは、「あ」の発音を自然に豊かに作るように練習してみましょう。

 

いつもは何も考えずに発している言葉ですが、一つ一つ丁寧に考えながら綺麗に発音しようと心掛けてみてください。頭の中でイメージを持って発した言葉は、必ずそのイメージに乗って体から出ます。

 

逆に何もイメージを持っていない言葉や歌はつまらないものになってしまいます。

 

今回は、母音を発音することだけについてお話ししましたが、応用で音程の付け方や母音5種類の音が持つそれぞれの特徴とイメージ、更に子音を用いた発音の仕方などについて、別の機会にまたお話したいと思います。

 

 

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