これから楽器を始めようと思っている方の中には、ピアノにするかキーボードにするかで迷っている方もいるかと思います。
楽器は安いものではないため、自分のやりたい音楽に合わせて購入しないと後悔することにもなりかねません。
そのため、ピアノとキーボードの違いについて知っておきましょう。
目次
ピアノとキーボードの違いと分類について
ピアノとキーボードは見た目が似ていますが、そもそも別の楽器として扱われることが多々あります。
大きな区分けでは、キーボードはロックやポップスなどを演奏する時に使うポピュラー音楽向けの鍵盤楽器すべてを指す呼び名です。
一方でピアノは、主にクラシックなどの伝統的な音楽で用いられることが多いです。
しかし、ポピュラー音楽の演奏でもピアノが使われることがありますが、その場合ピアノを弾く人のことも「キーボーディスト」と呼びます。
クラシックやジャズでは、ピアノの弾き手は「ピアニスト」と呼ばれます。
ピアノの種類と特徴
通常、ピアノの鍵盤は88鍵です。
とても音域が広いのが特徴で、オーケストラで扱う全音域をカバーできる鍵盤楽器として知られています。
しかし内部に弦があり、鍵盤を押すことでハンマーが弦を叩いて音が出ることから、弦楽器と打楽器の要素も兼ね備えている大変珍しい楽器なのです。
そんなピアノの中にも、様々な種類があります。
もっとも知られているのは、「グランドピアノ」と「アップライトピアノ」が含まれたアコースティックピアノでしょう。
アコースティックピアノは、鍵盤で弦を叩いた音自体が鳴り響く伝統的なタイプです。
特にグランドピアノは、ピアノリサイタルやオーケストラとの協奏曲などのコンサートで使われることが多く、サイズにも種類があります。
大きな会場では大きいサイズのものが使用されますが、大型のものは価格も高いです。
アップライトピアノは、グランドピアノと違い内部の部品が縦に配置されているので、よりコンパクトで場所を取りにくいのが特徴です。
狭い室内でも練習しやすいため、家での練習用のピアノとして広まっています。
アコースティックピアノの他には、「電気ピアノ」や「電子ピアノ」もあります。
電気ピアノはエレクトリック・ピアノとも呼ばれ、アコースティックピアノと同じ要領で出した音を電気信号に変え、アンプとスピーカーで音を出す仕組みになっています。
一方で、電子ピアノはデジタルピアノとも呼ばれており、ピアノの音を電子回路で再現した音源が使われているのが特徴です。
音を出す仕組みはアコースティックピアノとは異なりますが、鍵盤の数や弾いた感触は従来のピアノに近いとされています。
しかも比較的安価で軽く、ヘッドフォンを使って練習できるので近所迷惑の心配がないことから、練習用として現代では人気の種類です。
近年では、より高価で性能に優れた「ハイブリットピアノ」という種類も登場しています。
キーボードはこんな楽器
キーボードは、ピアノと比べて鍵盤数が少ないのが特徴です。
鍵盤の数は大抵が61鍵で、簡単なものでは49鍵や32鍵ほどのものもあります。
形状もバラエティに富んでおり、椅子に座って弾くスタンド付きのタイプや持ち運びやすい置き型のもの、バンドで使われるストラップ付のショルダーキーボードなど様々です。
キーボードは電子楽器なので、録音されている多彩な音を鍵盤を押して鳴らすことができます。
録音されている音源と言っても、鍵盤の押し方を変えることで音の強さを調整可能です。
機種によっては、ピアノやストリングス、ベースなどの音が収録されていたり、ドラムの音が一定のリズムを刻む機能を持っていたりします。
子供の玩具として売られているものもあり、初心者でも演奏しやすいのが魅力です。
なお、キーボードの一種としてシンセサイザーも挙げられます。
シンセサイザーは音を出す仕組みが電子ピアノと似ていますが、電子ピアノと違って鍵盤の数にはバラつきがあり、多彩な音を合成して生み出すことが可能です。
ピアノの音色だけでなく、ドラムやギターなど幅広い種類の音を出すことができるのが特徴です。
さらにキーボードには、楽器自体に音を収録していない「MIDIキーボード」というタイプも存在します。 MIDIキーボードでは、コントローラーとして他の電子楽器と連動させて演奏します。
ピアノとキーボードのどちらを選ぶべき?
もちろんメーカーや種類にもよりますが、値段で言えばピアノは高価でキーボードは安価です。
練習が続けられるか不安な場合や経済状態が心配な場合は、安価なキーボードを選ぶのも一つの方法です。
しかし、クラシックやジャズなどの演奏をしっかり学びたい場合には、キーボードではいずれ物足りなくなりますので、ピアノを買うことがおすすめです。
一方で、バンド活動をメインにする場合には、キーボード一本で選ぶのも良いでしょう。
ピアノとキーボードの違いや種類には、様々なタイプがあることが分かります。
それぞれの特徴を知っておくことはもちろんですが、自分のやりたい音楽のジャンルや活動に合わせて選ぶと良いでしょう。