こんにちは! フィールドミュージックスクールボーカル講師の淵岡です!
今日は、ボイストレーニングの発声の基礎についてお話したいと思います。
淵岡講師プロフィール |
いきなりですが、発声をするために必要なものは、ズバリ“声帯“と“空気(息)”です!
声帯は「楽器」で、空気(息)が楽器を鳴らすための「エネルギー」であると考えれば分かりやすいと思います。
ピアノやギターなどのあらゆる楽器は初めから完成された形がありますが、歌唱で必要な楽器である声帯は一人一人違った形をしているため自分の個性を知ることが何より大切です。
ボイストレーニング(練習)をする時に楽器である声帯を柔軟に豊かに使い、そこにたくさんエネルギーである空気(息)を流すことが重要になります。 ですが、声帯は残念ながら自分で見ることはできません。
では、どのようにして見えない声帯を動かしていけば良いのでしょう?大きく2つポイントがあります。
声帯を効率よく動かすポイント
1.姿勢を整える
地に足をつけて立ちましょう。堂々と胸を張って、肩幅に足を開き、しっかりと立ちましょう。
背筋をピンと伸ばして、自分をいつもより大きく見せるイメージで。首や肩幅には余計な力を入れないようにしましょう。
どうしても力が入ってしまう場合は、何度かその場でジャンプしてみて身体全体の力を抜くと良いでしょう。 姿勢を整えようとしすぎて力が入ってしまうのは良くありません。
何時間歌っても疲れない姿勢を作ることが大切です。
2.口の形を整える
単純に口先(唇)を大きく開けるのではなく、口の中を開けることが大切です。
舌を上の歯の裏につけてみてください。 そのあと、舌をそのまま後ろ方向(上あご・真上)に移動させます。どんどん移動させていくと柔らかい部分がありませんか?
そこは「軟口蓋(なんこうがい)」という部分(図1)で上手く使うと歌唱により良い効果が表れます。軟口蓋を上手く使うとは、軟口蓋を開く(上に広げる)ことです。
簡単な方法は、欠伸(あくび)をすることです。 いつもよりも大きな欠伸をしてみましょう。軟口蓋が上に広がっていくと思います。その時の口の中の状態をよく観察して覚えておくと良いでしょう。
声帯(楽器)の準備ができたら次はエネルギー(息)の使い方です。 普段、私たちは何気なく呼吸をしていますが、歌う時に呼吸は重要な動作になります。
こちらも大きく2つポイントをおさえておきましょう。 ここで少し変わっているのは呼吸の順番です。息を吐く動作からやってみたいと思います。
最初は息を吸うんじゃないの?と思われた方もいると思います。呼吸に順序を付けるのも練習のルーティンとして時には大切ですが、いつも通りの動作をしているだけでは進歩しません。 ぜひ今回は息を吐く動作から始めてみてください!
息の使い方のポイント
1.今ある息を吐き切る
歌う中での呼吸のポイントは、次の息継ぎ(ブレス)までに吐き切ることが大切です。吐き切ることでまたたくさんの空気が吸えようになるからです。
これは、肺活量のアップにも繋がります。この時、姿勢には気を付けましょう。息がなくなると背中が丸まってしまいがちです。姿勢は整えたまま息を出し切ってみましょう。
ぜひ意識して吐き切ってみてくださいね。
2.とにかくゆっくりと吸う
息を吐き切ったら苦しくて早く吸いたくなりますよね。
でも、ここは少しガマンしてお花でも食べ物でも良いので自分が好きな匂いをゆっくりと嗅ぐイメージで吸ってみましょう。
この時は、匂いを”嗅ぐ”イメージなので、鼻から吸います。吸った空気をお腹の奥底まで溜めてみましょう。
息を吸うときも先ほどの姿勢や口の中を意識してみてください。風船がどんどん膨らんでいくようにお腹が膨れていくと良いです。 この時に注意したいのは肩や首に力を入れないことです。
息を吸ったときに肩が上がったり、首がこわばったりしないようにしましょう。
どうでしたか? たくさんお話してきましたが、豊かな声で歌うためには、練習の時に一つ一つの動作を意識して行うことが大切です。いつもは無意識にしてしまっている姿勢と呼吸に気を配って歌ってみましょう。
今回は、「声帯」と「空気(息)」についてお話しましたが、これは歌唱のための基礎の中の基礎です。ここから更に応用で音程やリズム、ビブラート…などなど技術の話になっていきます。
長い道のりのように感じますが、歌うこと声を発することに喜びを持って楽しんで取り組むことが何より大切です! 自分の身体のことなのに知らなかったことが、きっと発見できますよ!