ギタリストなら一度は憧れたり魅力的に感じるカテゴリーの一つが早弾きではないでしょうか?
私もギターを始めたての頃は凄く魅力的に感じ、どうしたら上手に早弾きが出来るようになるのかと、いつも考えていました。 ギターの早弾きは正しい練習方法を行っていけば上達していきますが、上達にはコツがいります。
ギターを始めて間もない方や、経験者でも早弾きに挑戦して挫折してしまった方の為にも、今回はギターの早弾きが上達するコツについて解説していきます。
目次
早弾きに向いているピックについて
早弾きが少しでも弾けるようになる為には、自分に合った早弾き用のピックをチョイスする事です。
ピック選び一つでフレーズによっては早く弾けたり弾けなかったりと演奏に差が出て来るので、それだけ早弾き用のピックを選ぶ事は重要なのです。 字のごとく早く弾くわけですから小回りのきくものを選びましょう。
トライアングル型やEXTRA HEAVYといった厚さがあり過ぎるピックは控え、ティアドロップ型やジャズ型をおすすめします。
あとはギターを弾いていく中で、ご自身に合うピックの大きさや厚さの微調整をしていきながら早弾きにベストなピックを見つけていきましょう。
右手のコントロール
ギターは左右非対称の動きをしていますので、右と左それぞれ分けてコツを解説していきます。
まずは右手。音を実際に出す為のピッキングですが、テンポが早くても正確なピッキング・コントロールが出来なければなりません。 テンポが早くなるとどうしても右手に力が入ってしまい、力ずくで弾いてしまう方も多いのではないでしょうか?
この力ずくで早く弾くという弾き方はハッキリ言って間違っています。 何故かというと、力んで弾いてしまうと正確なピッキング・コントロールが難しく弾けるフレーズが限られてしまうからです。 特に弦の移動が多いような早弾きは厳しいでしょう。
他にも力んで弾くデメリットは幾つかありますが、右手の体力が保たずフレーズや曲が弾き切れません。 なので出来る限り脱力することがとても重要です。 肘、手首、ピックを持つ指先。これらを出来る限り脱力して早いピッキングを心がけましょう。
練習方法は、メジャースケールで1弦〜6弦までを使用してピッキングトレーニングしてください。
一つの音を4回ずつ16分のオルタネイト・ピッキング弾いて音を運んでいきましょう。
(例、ドドドドレレレレミミミミ〜) テンポはBPM60〜150くらいまでの設定でまずは弾いていくことです。
この時に音の粒を揃える意識があると良いです。 又、テンポが早くなるにつれてピッキングの動きを小さくしていきましょう。 この練習では弦を1弦~6弦までを万遍なく弾くことで弦移動があっても、ピッキング・コントロールの強化に繋がります。
始めはテンポが上がっていくにつれて特に4〜6弦が引っかかるような感覚になりますが、それでもめげずに繰り返し練習して出来るようになるまで続けましょう。
初めから早く弾ける人はいないので、少しずつ時間をかけてテンポを上げて弾けるようになれれば大丈夫です。
左手のコントロール
続いては左手。フィンガリングについて見ていきましょう。
早く弾くことが出来ない理由として左手によるフィンガリングが大きく関係している場合があります。 フレーズを弾く時に普段から指がバタバタして大きな動きになっていないかチェックしてみましょう。
指がバタついてしまうと早い動きに間に合わず早弾きをすることが困難になってしまいます。 なのでそうならない為にも出来る限り左手のフィンガリングの動きに関しては小さな動きに抑えるよう心がけましょう。
最小限に抑えることでムダな動きがなくなり早弾きえを行いやすくなりますし、早くないフレーズにおいてもミスが減ってきます。 指がバタバタせずムダな動きがなくなるようにする為には普段からの地道なトレーニングが必要不可欠です。
その内容として簡単なものを1つ紹介します。 クロマチック・スケールによるトレーニングにおいて、左指と弦との距離を2cm以内の動きに抑えながら弾くようにしてください。 テンポは2cm以内の動きで出来るゆっくりな早さで構いません。
これが慣れないと意外に難しい!! すでにクセで指がバタついてしまっている方ほど難しいと感じることでしょう。 特に小指は弦から離れやすくなります。 小指は他の指を動かすとバランスを取ろうとして弦から離れるのです。
指自体普段から別々に動かすような動作は行わないので、このトレーニングでは各指に動きの意識を向けて行ってみてください。 最初はメトロノームに合わせなくても大丈夫ですので、まずはゆっくり確実に弾いていきましょう。
少しずつ慣れてきたらBPM60の8分のリズムで、オルタネイト・ピッキングで行っていきましょう。 出来てきたらBPMを10ずつ上げてテンポを少しずつ上げていきます。
クロマチック・スケールによるトレーニングそのものは、メカニカルで楽しくはないかもしれませんが、少ない時間でも継続して行うことにより意味がありますので是非普段の練習に取り入れてやっていきましょう。
各左指の強化
左の各指をそれぞれ鍛錬していくことで、よりコントロールしやすくなり早弾きが弾けるようになります。 左指は右手以上に様々な動きやテクニックを使う部分でもあるので、各左指の強化という点も抑えていきたいところです。
こちらの内容も1つ紹介します。 それが各指において、ハンマリングとプリングを連続して行うトリル・トレーニングになります。 どこか弦を一つ決めたらその弦上だけで人差し指を基準に各指のトリルを行っていきます。
例えると、3弦5フレットを人差し指で押弦しピッキング後に6フレットを中指でハンマリング&プリングのトリルをします。 次は3弦5フレットを人差し指で押弦しピッキング後に7フレットを薬指でハンマリング&プリングのトリル。
そして3弦5フレットを人差し指で押弦しピッキング後に8フレットを小指でハンマリング&プリングのトリル。 ピッキングする所は全て人差し指押弦の5フレットだけになります。 フレットの動きは(5656〜)、(5757〜)、(5858〜)。 リズムはBPM70の16分で行っていきましょう。
このトレーニングも先程のクロマチック・トレーニング同様、各指を別々に動かすものになるので慣れないと大変です。特に薬指と小指は動かしづらいことでしょう。
又、左手は右手以上にリズムを取るのが難しいのですが、こちらも継続して行うことで改善されていきます。
ゆっくりなテンポから弾いていく
初めから早く弾ける人はいません。 まずは焦らずゆっくり確実に弾ける早さから練習していきましょう。
早弾きがなかなか上達しないと感じてる方、元々の早いフレーズをそのままの早さから弾いていませんか? その場合、いくらトライしてもなかなか弾けるようにはならないでしょう。
最初から早く弾いてしまうと先程お伝えしたムダな力みにも繋がってしまいます。 左手のムダな力みは自動車で例えると、ブレーキをかけたままの状態でアクセルを踏むようなもので手の故障にもなりかねません。
よく知られているものだと腱鞘炎です。 なのでメトロノームなどを使いながらまずはゆっくりなテンポから練習していきましょう。ゆっくり確実に弾ける早さであればムダな力みも減りますし、フレーズの理解度も深まります。
弾けてきたら徐々にテンポを上げていく。この繰り返しです。 どんなフレーズや基礎トレーニングもゆっくりなテンポから徐々に早くしていくことが重要であり、それがギターの早弾きが上達するコツの一つでもあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、ギターの早弾きが上達するコツについてお話ししました。
・早弾きをしやすい為のピック選び。
・左右のコントロールについて。
・そしてゆっくりなテンポで弾いていく。
こちらをポイントに解説致しましたので、是非普段の練習に取り入れて少しでも早 弾きの上達に繋げてもらいたいです。 頑張っていきましょう!!
フィールドミュージックスクールギター講師。
都内を中心に積極的にバンド活動を行う一方、様々なアーティストのサポートなどで、Zepp Tokyoや渋谷公会堂などのホール、さらには海外のツアーを経験し、セッションイベントでのサポート演奏も行う。