こんにちは。フィールドミュージックの森田です。
今回はスティックの種類と選び方についてご紹介していきたいと思います。
ドラムを叩くためにまず必要になるのが、スティックです。スティックがなければ叩くことはできません。そのスティックも様々な種類がありますのでこちらを紹介していきたいと思います。
また、ドラムを叩くにはスティック以外にもマレットやブラシ・ロッドなどもありますが、今回はスティックに限定して紹介していきます。
目次
材質
まずはドラムスティックの材質が様々あります。材質によって堅さや耐久性、適したジャンルもそれぞれ違います。
ヒッコリー
クルミの木でスティックの材質の中でも一番シェアが多い材質になります。適度な重さや堅さでオールジャンルに使えます。
初めて買うドラムスティックはまずこのヒッコリーのドラムスティックをオススメします!
オーク
ナラの木の総称で、加工しやすく家具やフローリングなどでも使用されています。
ドラムスティックでよく使用される材質の中では最も重く硬い木材なので、音量や音圧を出しやすく耐久性が高い等の特徴があります。
ロックやヘビメタなどパワフルで大きな音量を出したいという方にこのオークのドラムスティックが好まれるようです。
メイプル
モミジと呼ばれる楓の木でドラムやギターなどの楽器の他野球のバットなどにも使用されています。
メイプルは重量が軽く振りやすいので手数を多く使用するジャズドラマーなどに好まれています。
ただ、重量が軽かったりコントロールしやすい反面、比較的折れやすく耐久性が高いとは言えません。
金属
ここまでは木材で製造されたスティックを紹介してきましたが、AHEADというメーカーから販売されているもので金属製のドラムスティックがあります。
金属製のドラムスティックはよほど音量やアタックを必要とするジャンルにしか使用することはないかと思いますが、パワフルなサウンドを出したい方にはオススメのドラムスティックです。
太さ
ドラムスティックにも細いもので直径が13ミリくらいから太いもので直径17ミリくらいのものまで様々な太さがあります。
よく太いドラムスティックの方が細いものよりも大きな音が出ると思われている方が多いですが、太いドラムスティックで叩いたからといって大きい音が出るとは限りません。
自分の手の大きさやフィット感で最適なものをチョイスするといいでしょう!
長さ
ドラムスティックの長さも短いもので390ミリくらいから長いもので410ミリくらいまであります。ドラムスティックの長さで音が変わるものではないですが、ドラムスティックのバランスや叩きやすさなどで選ぶとよいでしょう。
チップの形
チップとは、ドラムスティックの先端の部分でスネアドラムやタムなどを叩く際に打面に一番当たる部分です。このチップの形の違いにより打面に当たる面積が変わり音質や音量が変わってきます。
チップの材質にも2種類ありドラムスティック全体と同じ材質で作られたウッドチップとチップだけにナイロン製で作られたものがあります。
木材
ドラムスティックのチップの大半は木材で作られていて、一般的には木製のチップを選んでいただいていいかと思います。叩いているうちにこのチップが欠けて音色が変わってきますので、チップが欠けたらスティックの交換時期になります。
ナイロン
こちらはチップの部分がナイロンで作られていて輪郭のはっきりとしたサウンドを出すことができます。木製に比べ耐久性はあり、音のバラツキがない分、様々な表現をするのが難しい材質になります。
丸型(ラウンド型/ボール型)
チップの先がまん丸の形の丸型はドラムスティックをどの角度で叩いても打面にあたる面積が均一になるので、音のバラつきがなく初心者の方に向いています。その反面、ドラムスティックの当て方で音色を変えることが難しいという難点もあります。
角型(スクエア型/円柱形)
こちらは丸型より少し四角形に近くしたもので、見た目は丸型と同じように見えますが、丸型より打面に当たる面積が増えるため叩いたときの音量が出しやすくなります。
音色も側面で叩いた場合と角で叩いた場合とで違う音色を得ることができます。
涙型(ティアドロップ型)
こちらはその名の通り涙のような形から涙型と言われています。
チップの形は細長いイメージがありますが、打面の当て方によって太く大きな音や細く小さい音など様々な音色を得ることができます。ただ、慣れないうちは音色のバラつきが出てしまい音色をコントロールすることが難しいので、あまり初心者向けではありません。
三角型(円錐型)
チップの形が三角形に近い形になっているのが特徴です。
こちらが最も音色を変化させやすい形で、打面に当たる角度によって様々な表現ができます。音量も比較的出しやすい形になっていますが、音色のコントロールは難しいと言えます。
ちなみに筆者はこの三角形のスティックを使用しています。
チップレス
こちらはチップ自体がなくドラムスティックの両端が同じ太さになっているものです。
先が太いのでその分音色も太い音が出しやすくなりますが、ドラムスティック自体の重さのバランスが均一なのでフロアタムなどリバウンドさせて叩くことが難しいタイプです。
この形のスティックは、ティンバレスという楽器で使用されることが多いです。
重さ
ドラムスティックの重さは、材質や節の有無などによって変わってきますが、1本40~60グラムくらいになります。
こちらも太いドラムスティックの時と同じで、スティックが重い方が大きい音が出ると思われる方もいますが、ドラムの音量とドラムスティックの重さは比例しません。大きい音を出すためにあえて重いドラムスティックを選ばれる方もいますが、それは叩き方の問題で重くて太いスティックでも小さい音や大きい音を出すことは可能です。
スティックを振ってみた時に振ったスピードが一番出やすいスティックを選ぶと良いでしょう!
動画でも解説しています
選ぶ時のポイント
では、どのようなドラムスティックを選んだらいいのでしょうか?
ドラムスティックは、ドラムを叩く上で非常に重要なパーツになります。スティックひとつで叩きやすさや表現の幅が格段に変わってきます。
ここではスティックを選ぶ際の注意ポイントをご紹介していきましょう!
ドラムスティックの反りに注意する
ご存知のようにドラムスティックは木で作られています。木は金属とは違い気温や湿度などで曲がったり反ったりします。
楽器屋さんで売られているドラムスティックも1割~2割くらい曲がったスティックがあります。
可能であればテーブルなどに転がしてみて真っ直ぐなドラムスティックを選ぶようにしましょう。
均等な重さのものを買う
ドラムスティックは、機械で加工されていますが加工する前の木の場所によってスティック1本1本の重さがかなり違うことがあります。
楽器屋さんなどで重さを計るものがあれば1本づつ計ってなるべく誤差のないものを選んでいきましょう。
バランスのとれたドラムスティックを選ぶ
重さが均等でもドラムスティックの手前と先の方で重さのバランスが全く違うスティックもあります。
買うメーカーによってもバラツキの差はありますが、これはどんなバランスのものがいいというものではないので、実際にドラムスティックを振ってみて、もしパッドなどを叩けるなら叩いてみて自分でしっくりくるものを選んでください。
反りや重さ、バランスなどを考慮して選ぶとしっくりくるドラムスティックはかなり絞られてくるかと思いますが、まずはベストの状態でドラムを叩く環境を作っていきましょう。
様々なタイプのスティックを使ってみる
1度使い慣れたドラムスティックでも長年叩いていくうちにドラムで違った表現をしなくてはいけなくなることもあります。その時は他のタイプのスティックを使ってみるということも必要です。
筆者は、現在まで30年ほどドラムを叩いてきましたが、いまメインで使っているスティックに落ち着いたのはドラムを始めてから約20年ほどたったくらいでした。
それまではいろんなタイプのスティックを使用して自分がイメージした音が出せるスティックを模索していました。いまでも演奏する音楽で数種類のスティックを使い分けていますが、そういう風にいろんなタイプのスティックを使うことでそのスティックの特性が分かってきますので、はじめのうちはぜひ色々なタイプのスティックを使ってみてください。
はじめは好きなドラマーと同じスティックを買うのも手!
それでもどのスティックを選べばいいかわからない方は、好きなドラマーのモデルのドラムスティックを買ってみるというのも1つの選択肢です!
好きなドラマーと同じスティックを使うことでモチベーションも上がりますし、上手くなった(気?)になることもできます。
いかがでしたでしょうか?
今回は、ドラムスティックの種類と選び方について解説していきました。
いろんな知識を得ることでドラムはもちろん音楽をより深くより楽しくなることは間違いありません!
さらにドラムを楽しんでください!!
フィールドミュージックスクール代表。
都内音楽学校にて本格的に学び、卒業後は石川さゆりのツアーサポートはじめ薬師丸ひろ子、葛城ユキなど数々のアーティストのレコーディングやテレビ出演、コンサートツアーなどスタジオミュージシャンとして活動する。