こんにちは。 フィールドミュージック ドラム講師の森田です。
今回は、ドラムで曲を叩いていてリズムがハシったり(早くなったり)モタったり(遅くなったり)する方に共通することだったり改善していく方法などをお伝えできればと思います。
ドラムを叩いていて「フィルインになるとリズムが崩れる」「バスドラムが思うようにリズムにはまらない」「速いテンポになるとリズムが合わない」などリズムに関してのお悩みをお持ちの方はたくさんいらっしゃるかと思います。
しかし、リズムが合わないと頭では分かっていてもどうすればいいのか?が分からない方も多いかと思います。中には合っているのかも分からない方もいるかと思います。
そんな私もバンドをやっていて他のメンバーから「そこハシってるよ!」などとよく言われた経験があります。 もちろん自分ではわざと早く叩いているわけもなく叩いているつもりですが、その時はリズムが早くなっていることにすら気がつきませんでした。
この記事では、そんな私がどのようにしてリズム感をつけていったかを3つのポイントに沿って分かりやすく解説していきたいと思います。
動画でも解説しています
目次
周りの音をよく聞く
1つ目のポイントは「周りの音をよく聞く」ということです。
こんな事を言うと「聞いてるよ!」と突っ込まれそうになりますが、意外と聞いていないものです。
人間の耳は24時間ずっと稼働しています。寝ているときも、水の中に潜っていても音は聞こえてきます。 ただ、聞こえてはいるけど意識して聞いている人は少ないです。
電車の中で音楽を聴いていても景色や他の音に意識がいったり、食事しているときにBGMがかかっていても食べる事や他の人との会話に夢中になり実際には聴いていなかったりする事はよくあります。
ドラムを叩いている時も同じことが言えます。ドラムを叩いているときに他の楽器の音やメトロノームの音を聴いているようでしっかり聞けていないことが多々あります。
自分では聴いてその音にリズムを合わせているようでも録音して後で聞いてみると自分の意図とは違いリズムが合っていないことがよくあります。 人間の耳は思ったよりいい加減です。
聞こえてはいても聞く意識を持って聞かなければしっかり合わせることはできません。 聞こえていると聞いているは全く違います。しっかりと聞く意識を持って聞いていれば今まで聞こえてなかった音が聞こえてきます。
まずは「聞く意識を持って」聞いてみましょう。
拍を感じる
リズムがズレる1番の原因は拍を感じていない事です。
音楽はいろんなリズムで構成されていて、そのリズムは音符と休符の2種類で構成されています。 そして、その音符や休符には、長さが長いものや短いものなど様々ですが、それらを一定の単位にまとめたものが拍になります。
拍は音符でいうと4分音符となりその4分音符を基準にしてテンポが決まります。 長さの違う音符や休符でもその拍を感じ、拍をコントロールする事で必然的にリズムは良くなります。
では拍を感じるにはどうすればいいでしょうか? これは前項で説明した良く聞くことの確認にも繋がってくるので、拍を感じていれば周りの音がしっかりと聞けているということになります。
方法としては、まず音楽やメトロームを流してください。どのような音楽でもいいですが、まずはテンポが80くらいのものを選ぶといいでしょう。 そして、その音に合わせて足で拍をとってみてください。
一般的には手でリズムをとることが多いと思いますが、ドラムはじめギターやピアノなどの楽器を弾く際も足でリズムをとる事が重要となりますので、手拍子をするように足で拍(4分音符)をとってみてください。
まずは、ベースとなる音を1小節聞きその後1小節間4分音符で足踏みします。1小節づつ「音を聞く」と「拍をとる」を繰り返していきます。 足は右足でも左足でも構いませんのでやりやすい方の足でやってみてください。
ある程度拍を感じ4分音符の感覚がつかめてきたら、2小節、4小節・・・と増やしていき1曲丸々足でリズムが取れるようになるまで繰り返していきましょう。 実際には様々な手のリズムが入ってきてそうなると足でとっていた拍が崩れがちになるので、ここでしっかりと拍を感じていけるよう根気よく練習していきましょう。
無理して難しいことをしない
3つ目に、無理して難しいことをしないということです。
とはいえ、楽器を始めた時は色々とやりたくなりますよね。自分もそうでした。
それが悪いわけではありません。
難しいフレーズや早いフレーズに挑戦することはいいことです! しかし、ドラムの本質はまずリズムを一定にキープすることです! ドラマーがリズムキープができないということは、野球でピッチャーのコントロールが悪いのと同じです。
ピッチャーがストライクゾーンに投げる事ができないと試合になりません。
それと同時にドラマーのリズムがバラバラに崩れていては音楽は成り立ちません。 ドラムの技術というのはその技術をあらゆるテンポでしっかりとキープして叩ける!という事で成り立ちます。
ですので、難しいテクニックに挑戦することはいい事ですが、そのテクニックを追求するがあまりリズムが崩れるとか早く叩きたいと気持ちだけ先走って力んでしまって余計に早く動かないということが多々あります。
難しいことをいい加減にやるよりシンプルなことをしっかり叩く方が聞く人にとっては心地いいですし、評価もされます。 ですので、バンドでアンサンブルをやる時などは特に、自分ができる技術の中で曲を表現できるよう意識してみてください。
曲のパターンやフィルインの練習をする時は「拍」を取れているかを基準に練習していくと曲全体のクオリティーも上がってきます。
頑張っていきましょう!!
フィールドミュージックスクール代表。
都内音楽学校にて本格的に学び、卒業後は石川さゆりのツアーサポートはじめ薬師丸ひろ子、葛城ユキなど数々のアーティストのレコーディングやテレビ出演、コンサートツアーなどスタジオミュージシャンとして活動する。